12月勉強会「今こそ知りたい口腔がん」
今年最後の一斉勉強会も、例年通り、最初の30分間、今年2回目の防災訓練が実施され、通常より短い時間の勉強会となりました。
専門家の見解では 香川県は「30年以内にM8.0〜9.0クラスの南海トラフ地震が70〜80%の確率で起こる」とのことですが、瀬戸内は津波が来ない。来ても問題ないレベルだろうと過信していたり、普段地震がそんなに起こっていないし、災害の少ない所だからと関係ないと思っていたりしている方が大半だと思います。しかし、今回改めて職員は避難経路 危険個所 避難場所 防災用品設置場所 連絡方法 などを再認識するいい機会になったと思います。そのため12月の勉強会は、「口腔がん」の動画研修だけとなりました。
<Web動画研修>
研修名:今こそ知りたい口腔がん
講師:柴原 孝彦 先生
3年程前、ある有名人が舌がんであることを公表し、世間的にも大きく報道されたことがありました。その後、肌感覚ではありますが、来院される患者様の中には口内炎が生じたときに、口腔がんではないかと心配される声を耳にすることが増えたように感じます。今回の勉強会では、私たち歯科医師が遭遇しうる「口腔がん」について、学問的な部分・臨床的な部分を確認しました。
口腔がんはすべてのがんの中のおよそ1%前後と言われています。希少がんだという声もありますが、患者数は直近40年ほどで約5倍に増加しています。また増加率も平成に入っての近年の方がより大きくなっています。死亡者数も年々増加傾向にあります。口腔がんの発生箇所は、歯を除く口の中全てであり、最も多いのが舌です。口腔がんはある日突然、口の中に現れるということはありません。口の中の粘膜に白・赤・黒といった見た目で口内炎のようなものやただれ、膨らみといった病変がまず確認されます。この段階で、歯科を受診し、適切な診断のもと、経過観察をしておく・専門外来を受診する、といった対処がとられれば、知らぬ間にひどい状態になってしまうといったことも防ぐことが可能です。こうした病変の鑑別を、我々歯科医師が正しく行うために、様々な病変の実際の写真などを見て再確認いたしました。内臓のがんと違って、口の中は自分でも確かにチェックすることは可能ですが、セルフチェックでは確認しきれない箇所も少なからずあります。歯や歯周病の予防が健康長寿には不可欠と言われるようになってきている現代において、一人でも多くの方が予防の意識を高く持ち、定期検診やメンテナンスのため歯科受診されるようになることで、口腔がんの早期発見・治療が可能となります。
「歯医者には痛くなってからじゃないと行く気になれない。」そんな気持ちになるのもよくわかりますが、結局、治療期間が長くなってしまったり、治療に際して痛みが伴う機会が増えてしまったりと、いいことはありません。 患者様ができるだけ苦手な歯の治療を受けずにすむためにも 定期検診やメンテナンスの重要性を分かっていただける医院づくりに、取り組んでいかなければならないと痛感しました。
歯科医師 林 裕之
<防災訓練 Youtube動画研修>
タイトル:南海トラフ地震(最大クラス)に関するDVD【通常版】《香川県》
登録チャンネル:PrefKagawa 香川県インターネット放送局 『ちょっとみてみまい』