8月勉強会「オーラルフレイル・口腔機能低下症を見つけたらどうするか?」
研修名:オーラルフレイル・口腔機能低下症を見つけたらどうするか?
講師 :米永 一理
今回の勉強会は、オーラルフレイル・口腔機能低下症の診断や口腔領域からのアプローチについて学びました。どのようにしてこれらを予防できるのか、どのように治療介入を行い改善を図っていくのか、というお話でした。
その中で、米永先生が研究されている「イートロス」「カヘキシア」という言葉がとても印象に残りました。
イートロスというのは、直訳の通りに食べられない状態が続くことです。また、カヘキシアというのは、イートロスが発展し低栄養状態から筋肉量が低下してしまった状態を指し、「疼痛」・「疾患関連うつ」と並んで、「人の3大苦痛」と呼ばれています。中でもカヘキシアは唯一、治療方法が確立していないため、カヘキシアの進行はすなわち死に至る、と言えることから、その原因であるイートロスやオーラルフレイルは単なる口腔機能の異常ではなく、生命に関わる重大な疾患であると捉えるべきだと思います。イートロスを予防する・早期発見・早期治療に繋げる、このことがとても重要になってくると言えますので、そのサインを見落とさないこと、治療介入する中で、一体何が最も問題なのかをまず見極め、口腔機能低下症と診断できることが大切です。
オーラルフレイルは当然、治療を行い改善することが可能です。わたしたち歯科医師・歯科衛生士が少しでも早いうちにこれに気づき治療介入することで、カヘキシアへの進行を防ぐことが可能になります。そのためにも、医科歯科連携をできるだけ緊密に行って、患者様に寄り添った治療をしていくことが重要だと感じました。
歯科医師 川元潤一郎