2月勉強会「歯内療法学会ガイドライン解説」

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研修名:歯内療法学会ガイドライン解説
一般財団法人 日本歯内療法学会編

本日の勉強会のテーマは歯内療法学についてでした。
近年、どれだけ残存歯を多く残すことができるかということの重要性が再度見直されつつあり、そのためには歯髄、いわゆる神経を残すことが非常に重要であるということが明らかにされています。この傾向を受けて歯髄保護に重きをおきつつも、依然として歯髄を取り除く抜髄治療、その後の感染した根管内を無菌化する感染根管治療、両者ともに診療回数が減少しているとは言えない状況です。

歯内療法の目的とは、根尖性歯周炎の予防と治療です。そして、この予防には無菌的な根管内環境を確立するということが必須条件です。そのために、主に機械的拡大・化学的洗浄・根管内貼薬の3手法が用いられています。とはいえ、口腔内は一般的に唾液により潤っておりますので、唾液中に含まれる多量の細菌により根管治療中は常に細菌感染リスクに曝露されています。昨今では、このリスク低減・回避を目的として、ラバーダム使用下での処置が強く推奨されています。

歯内療法に用いられる薬剤、ファイルやマイクロスコープなどの器具・器材の改良は近年めざましく、治療を格段に優位に行える環境が整ってきているといえるでしょう。しかしながら、歯内療法における成功、確固たる治療手順といったものは未だ明確には確立されておらず、各々主治医の経験や判断に委ねられているのが現状です。これらの状況を踏まえて、以下の3つの観点から議題が設けられ、エビデンスを伴った研究にて結果を照合するという検証が行われていました。

  1. 治療回数による有効性について
  2. 処置後の鎮痛薬処方の可否について
  3. 処置後の抗菌薬投与の可否について

でした。

いずれも、エビデンスの確実性が低く、推奨の程度も低いといった結果になっていました。確かに、日々の臨床においても手法は様々で、確固たる通法というものがないと感じており、経験則に頼ってしまう側面があるということは認めざるを得ないのだと思いました。しかし、EBMに基づいた診断、治療の重要性を心にとどめて、EBMに基づいた診療を行えるように努めることは、根管治療に限らず、全ての領域において大切だと感じました。