12月勉強会「防災訓練と一次救命処置の実践」

今月の勉強会で、診療中の医院で想定される火災発生時の避難訓練と、水消火器を用いた消火訓練を実施しました。気温の低下に伴い暖房器具の使用が増加する冬は、火災が特に発生しやすいため、優心会では年に2回、災害時の避難訓練を実施しています。

火災発生時には、迅速に火災の発生を周囲に知らせ、可能であれば初期消火や他の火元の確認をし、被害の拡大を最小限に留めることが重要です。また、安全な避難経路を確保し、迅速に避難することも極めて重要です。

当院は複数階の建物であり、火災発生時の位置や火災の場所によって避難経路が異なるため、様々なケースを想定し、迅速に避難経路を選択できるよう訓練を重ねています。診療時間中は多くの患者様がおられますので、その方々が避難経路を知らないことを考慮し、私たちが冷静に誘導し避難できるよう訓練することが不可欠です。避難時には煙を吸わないように低い姿勢を取る、口元にハンカチをあてるなど、緊急時に役立つ小さな対策も訓練に含めています。

また、多くの人が消火器の実際の使用経験がないことから、今回は防火責任者の指導のもと、水消火器の使い方を学びました。安全ピンの外し方、ホースの構え方、レバー操作など、実際に手に取って訓練することで、理解を深めることができました。

さらに、災害時には救命処置を必要とする状況に遭遇することもあります。要救助者を発見した場合、まず周囲の安全を確認し、対象者に反応がない場合は緊急通報とAEDの手配を行います。胸骨圧迫は、胸に対して垂直に胸が約5cm沈み込む程度に繰り返し行い、可能であれば人工呼吸も並行して行います。AEDが到着した際は、すぐに使用準備をし、音声案内に従って適切に使用します。当院にもAEDが設置されており、その設置場所と即座に持ってきてもらうよう声掛けができることの重要性を再認識しました。

医療従事者として有事の際に最善の行動を取ることができるよう、このような訓練は非常に貴重であり、真剣に取り組むことが大切だと改めて感じました。災害は予期せぬときに起こり得ますが、私たちは常に備えを持ち、迅速かつ適切な対応ができるよう努める必要があります。今回の勉強会は、その重要性を再認識する良い機会であり、今後も継続的な訓練を行うことで、患者様だけでなく、私たち自身の安全も守ることができるよう努力してまいります。

研修歯科医師 朱 孔暉